木材と石材という2種類の自然物を素材として彫刻制作を行いました。同じ自然物でも木材、石材にはそれぞれの特徴があります。同じ形を2種類の素材で表現することで、それぞれの特徴を感じ、素材への理解を深めながら制作を行うとともに、2つの作品の対比を活かせるように意識して制作を行いました。
藤森 佑生
FUJIMORI Yuha
石粉粘土 [(W)30×(D)30×(H)60]
今年4月、5年にわたる祖父母との同居を終えました。手際よく家や畑仕事をこなす仕事人、それでいてかまってちゃんの祖父、警戒心が強く、毒舌でわがままなのに意外とネガティブな祖母。そんな2人との5年間は、かけがえのない宝物です。祖父母のいる空間のあずましさ、一人ひとりの魅力と2人の一体感を表現しました。
板橋 壮馬
ITABASHI Soma
今までにも塑像を制作してきましたが、すべて首までの作品でした。今回は、初めてデコルテまでの作品に挑戦しています。コロナ禍における制作は容易なものではなく、気持ちが進まない期間も多くありましたが、生活に無気力になっていた私の目標となりました。モデルの友人に対する尊敬の気持ちも大きな支えになりました。
猪苗代 歩未
INAWASHIRO Ayumi
今回私は自身の心を表現したいと思い、この彫刻を作成しました。球体をカットしたかのようなのような全体図ですが、全体の曲面と、揺れ動く不安定な形は自身の心の不安定で涙もろい形を表していて、中央の部分は空虚な自分自身や、自分ではわからない自分の可能性、「第四の窓」を表現しています。また、もとにした形はコップの中に入った水を動かしたときの水面の動きをモチーフにしており、私の涙もろさ、感情的な動きを表現しています。
丹野 彩花
TANNO Ayaka
この作品は二体とも、狩りをしている最中の獲物に狙いを定めているネコの姿を石粉粘土を使って表現しています。生命力を感じる動きのある姿を目指して、粘土を盛っては削って、削っては盛ってを繰り返してかたちを作っていきました。また毛の表現かなり試行錯誤を重ねた部分になっています。
澁谷 希李
SHIBUTANI Kiri
石膏 [(W)35×(D)35×(H)55]
今回の作品では、身近な女性を立体に表しました。大学生活も3年目となり、各々が進むべき道を決め動き始め、彼女も「公務員」という夢に向かい着々と準備を進めています。文月展に向けた今作品では、像の見つめる先にはどんなものがあるのか。そういった想像を膨らませることができるようポーズや表情を構成しています。
西條 拓海
SAIJO Takumi